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泉美木蘭
2017.11.25 03:05

森友学園:籠池のウソに怯まず追及すべき

森友学園の籠池元理事長が財務省に提出していた小学校の
設立趣意書(大部分が黒塗りで公開)のタイトル部分が、
「安倍晋三記念小学校設立趣意書」ではなく
「開成小学校設立趣意書」だったとして、
産経メディアが大喜びしている。

ライジングでも、連続で森友学園問題を報じていった中で、
この「黒塗り設立趣意書」についての籠池証言も取り上げた。
本人の主張では「安倍晋三記念小学校設立趣意書だ」という
ことだったが、実際には、昭恵経由で、安倍の名前を使うこと
断られていたから、提出書類には使っておらず、
籠池もインタビューに対して嘘をついていたということだ。

しかし、これをもって「安倍は関わっていない」「籠池の譫言」
「籠池に騙された官僚の忖度」というイメージで、
「森友学園疑獄はなかった」という印象にすり替えていっては
ならない。

籠池の譫言だったのなら、なぜ安倍昭恵内閣総理大臣夫人付きの
谷査恵子氏が
動いていたのか?
谷査恵子氏は、籠池が昭恵の留守番電話にメッセージを残したこと
がきっかけで籠池と連絡を取り合い、
当時の
財務省国有財産審理室長・田村嘉啓氏に問い合わせを行い、
土地の取引について、懇切丁寧なFAX回答を得るなどして森友学園
のために尽力しているのだ。



内閣総理大臣夫人付きの官僚が、指示もなく勝手に、一民間人で
ある籠池のために尽力することがあるのか?
昭恵が籠池からの伝言を聞いて、谷氏に指示したから動いていた
のではないのか?

現物の写真を持っていないのでモーニングショーで紹介された
画面を使わせてもらうが、

官僚が、なんの指示もなく、勝手に内閣総理大臣官邸から、
一民間人に書類を送ったりするのか?

籠池元理事長は、証人喚問で「神風が吹いた」と証言した。
その神風は《誰》がきっかけで吹いたものだったのか、
この小学校設立に関わった主要人物の証人喚問は一切行われず、
昭恵夫人をメディアから隠してしゃべらせず、
そして、官邸は「谷査恵子氏が勝手にやったこと」という流れに
して、
証言させることなく、森友疑獄問題が沸騰している最中、
谷氏をイタリア大使館一等書記官として海外赴任させた。
ノンキャリアでは破格の超高待遇ということだ。

あきらかに、真実を知る人物たちを包み隠しているではないか!
どこから誰が見ても「隠している」ことが明らかだから、
国民は安倍首相の説明が納得できない、信じられない、と感じた
のだ。
黒塗りの設立趣意書ひとつで引いてしまってはいけない。
籠池のウソに怯えず、追及を続けるべきだ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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